相続したくない、またはさせたくないという場合は?
遺産には、不動産や預金など金銭的な価値のある財産だけでなく、被相続人が支払わなければならない負債も含まれています。そこで被相続人が借金まみれで、相続しても損をするという場合、相続人は相続放棄(民法938条)することが考えられます。これは家庭裁判所に、相続はしませんと申述する方法で行うもので、時間・費用もほとんどかかりません。しかし、相続放棄は、相続開始があったとしたときから3ヶ月以内にしなければならず(民法915条)、また財産を勝手に処分すると放棄できなくなることがありますので(民法921条)、注意が必要です。
また逆に、将来は相続人になるであろう者(「推定相続人」といいます)から虐待を受けたなど、その人には遺産を残したくないという場合には、どうしたらいいでしょうか。まず遺言でその人に財産を残さないように定めておくこともできますが、その人に先に述べた遺留分がある場合には、それだけでは不十分です。そこで「相続人の廃除」(民法892条)といって、家庭裁判所で予め相続人の地位を奪う手続をとることができます。これが認められれば、その虐待などの非行行為を行った者は相続人ではなくなり、財産を分けずにすみますが、その人の子供が、その分を代襲相続することになります。
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